第3回スキルアップセミナー

第3回 生活困窮者によりそう相談員のためのスキルアップセミナー

 生活困窮者自立支援制度本格化スタートから2年が経過し、分野横断的、包括的な相談支援への必要性が高まりを見せています。社会的包摂サポートセンターは2012年より「よりそいホットライン」を通じ、敷居の低いワンストップの総合的な相談事業に取り組み、日々寄せられる相談者からの発信から新たな相談支援の専門性を模索してきました。

 今年度は第3弾として、よりそいホットライン「専門ライン」の実践をもとに、「相談支援を深めること」をテーマとしたセミナーを企画しました。スタート当初から、何でも相談を幅広く受ける一般ラインと高い専門性を伴う相談を同時に展開しています。本セミナーは相談支援現場が感じる問題意識に基づき、実践者の学びあいの場を提供すると同時に、必要とされる新たな相談支援のあり方を模索し、支援現場や社会に還元することを目的に開催いたします。

 


 


▶1日目:2017年10月28日(土)13時30分~20時まで

▶2日目:2017年10月29日(日)9時30分~15時まで

▶会場:東京学芸大学(東京都小金井市貫井北町4-1-1)

 

1 分科会 「基礎講座いろいろ」〜10月28日(1日目)午後 13:30~16:30〜

1-1
「発達障がい」 ~見えない障がい、別の困難に見えてしまう困難

 発達障がいの理解や支援の必要性はずいぶんと広がってきました。しかし、生活相談の現場ではまだまだ「関わりにくい相談者」「困難事例」などという別の形で理解されるなど、必要な支援にたどり着くことができない実態も多くみられます。この分科会では発達障がいに関する基礎的な理解について、生活支援の視点からその特徴や支援の配慮点などを具体例も交えながら学びます。
 講師:浮貝 明典(特定非営利活動法人PDDサポートセンター グリーンフォーレスト サポート事業 コーディネーター)

1-2
精神障がい、精神疾患 ~こころ(心)・からだ(体)・くらし(暮)~

「精神障がい」と聞いてどんなイメージがあるでしょうか。もしかすると、何をするか分からない危険な人たち?一生治らずに病院にいる人?そんな「誤解」がまだまだ根強く残っているのではないでしょうか。「正しい理解」が広がらないまま、病気に罹った当事者やその家族は押しつぶされそうな大きな負のメッセージに晒され苦しんでいます。精神障がい、精神疾患は「誰しもがかかる可能性のある」病気であり、「他人事」ではありません。講座では精神障がい、精神疾患についての基礎的な講義に加え、誰もが「ごく当たり前」に「地域生活をしていく」ことの重要性を当事者を交えて学びます。
 鶴田 啓洋(精神保健福祉士/一般社団法人Saa・Ya代表理事)
 藤原 奈美(一般社団法人よりそい支援かごしま)

1-3
家族の中に潜む問題をどう捉え、どう関わっていけばよいかを考えよう

一見平穏に見える「家族」の中には、様々な問題が潜んでいます。家庭内暴力、家族内や地域からの孤立、貧困の及ぼす影響など、見える問題・見えない問題について事例を通じて解きほぐしながら、支援の基本を大切にしたミニ講義と、事例検討やワークを交えて考えます。
 講師:新保 美香(明治学院大学 社会学部 社会福祉科 教授)

1-4
相談員として知っておこう! 〜焦らない・驚かない依存症への対応

ギャンブルなどの依存症から抜け出せず、周りの人がへとへとになるような状況を目の前にしたことはありませんか。
依存症は、よりそいの中で自殺のハイリスク群といえるほど対応を急がれる問題の一つです。本人の苦しみ、家族への影響など依存症の理解のための基礎講座を踏まえ、頭を悩ます困難事例を元に相談支援の現場を再現し、相談員として、相談が舞い込んで来た時に、焦らない・驚かないために知っておきたいことを専門家と当事者が解説します。
 講師:滝口 直子(大谷大学教授)

1-5
ハラスメントに気づこう、深く知ろう

セクシュアル、パワー、アカデミック、アルコール、マタニティ、レイシャル、SOGI・・・昨今、様々なワードがハラスメントの接頭辞として使われる一方、これらの影響への理解は残念ながら進んでいません。ハラスメント被害者が相談先で無理解から二次被害を受けることも少なくありません。そもそも原語のHarassmentは、権利を脅かす差別の一形態を表す用語として使用されています。支援員としてハラスメントをどう気づき、理解し、対応するか、専門家にハラスメントの心理的影響と構造について学び、その後みなさんと一緒に事例検討を通じて考えます。
 講師:小林 敦子(社会問題調査分析センター 研究者)

1-6
「相談支援基礎」~なぜ、相談者は来なくなるのか?

相談現場からの悩みごととして、しばしば「相談者が来なくなってしまった」という声を聞きます。この分科会ではいくつかの「来なくなってしまった相談」を架空事例をもとに、対人援助技術の基礎と言われる「バイステックの7原則」に即して、相談者の気持ちや想定される生活背景、生活スキルなどを改めて考えることで、相談者との信頼関係のつくり方について基本的な内容を学びます。
 ファシリテーター:日置 真世(よりそい全国コーディネーター)
           髙橋 信也(北海道・西東北ブロック統括コーディネーター)

2 全体会シンポジウム 「専門相談の現場から相談支援の本質を見つける」
 〜10月28日(1日目)夕方 17:30~20:00〜

「専門相談から見える相談支援の本質 ~忘れられがちな当事者について知る」
よりそいホットラインには6種類の専門ラインが設けられています。それぞれは対象、領域は異なりますが、それぞれの視点や理念を持ち寄ると、私たちの社会が抱える課題や相談支援がよく見えてくることがわかってきました。専門ラインの6本の縦糸と分野横断の総合相談の草分けである千葉県の中核地域生活支援センターの朝比奈さんの横糸が相談支援の本質を織りなします。
 進行:日置 真世(よりそいホットライン全国コーディネーター)
 指定討論者:朝比奈 ミカ(千葉中核地域生活支援センターがじゅまる センター長)
 シンポジスト:各専門相談ラインのコーディネーター(翌日③の分科会で登場する皆さんです)

3 分科会 「各専門ラインコーディネーターからプロフェッショナルな相談を見る、学ぶ」
 〜10月29日(2日目)午前 9:30~12:00〜

3-1
生活困窮相談のための“言葉・文化のちがいとの付き合い方”を学ぶ

2016年の訪日外国人数は約2400万人、現在日本で暮らす外国籍者は約240万人――外国人住民が一旦生活困窮状態に陥ると、制度や言葉などの壁が立ちはだかり困難度が深刻化する傾向が強いです。支援者は言葉や文化のちがいをどう受けとめて、エンパワーメントを通じた自立のプロセスに伴走していくのか。当日は通訳支援者を交えて、ロールプレイと事例検討を通じて外国人相談のアセスメントを共に行ないます。
 金 朋央(特定非営利活動法人コリアNGOセンター)

3-2
性暴力、DV被害者支援の真髄

DV・性暴力女性専門ラインは、暴力被害に遭った女性からの相談電話が24時間365日鳴りやむことがありません。今、家を出てきたという緊急ケースや、経済的不安、子どもの将来、相談者自身の疾病など複合的な困難を抱え、長年、DVに苦しんでこられた女性たち声が寄せられています。DV被害の実態を理解し、電話相談から支援に繋ぐプロセスについてロールプレイを通じて皆さんと共有したいと思います。
 近藤 恵子(特定非営利活動法人全国女性シェルターネット)

3-3
LGBTを含むセクシュアルマイノリティ支援から見える諦めない支援

セクシュアルマイノリティ(以下セクマイ。)の支援を通して、相談者の抱える「言えない」「わかってもらえない」と思い悩んでいることについて明らかにします。相談者は何を悩み、本当は何に困っているのか、どのような環境であれば解決ができ、または解決しやすくなるのかを制度や現状を踏まえてお伝えします。相談の中で見えづらく、困難なケースと捉えられがちな事例に基づいてよりそいホットラインとしての「つなぎの役割」のあり方を諦めない支援として参加者のみなさんと共有できることが目標です。
 大江 千束(LOUD代表)
 小川 葉子(LOUD副代表)

3-4
「死にたい」という思いを抱えた方への相談支援

自殺は、多くの場合、複数の問題・要因が絡まった末に引き起こされています。自殺を考えるほど追い詰められた人にどう接し、自殺ではなく、生きる道を選択できるように支援していくには何が必要なのか。自殺の実態、危機経路についての理解を深め、自殺念慮を抱えた人への相談対応のロールプレイを通じて、一緒に考えてみませんか。
 根岸 親(NPO法人ライフリンク)
 金 弘子(自殺防止専門ラインコーディネーター) 

3-5
フェーズの変化と被災者の置かれている状況

東日本大震災から6年が過ぎ、被災者の抱える問題はより複雑化し、人によって大きな差が生じています。この差とは何なのでしょう?震災は社会の縮図です。被災者だけの問題ではなく、自分事・社会問題として震災をもう一度考えてみましょう。この分科会では、被災者支援制度を含めた基礎知識の講義を踏まえ、災害発生後の被災者の心の変化をロールプレイを通じ学び、相談支援で求められる視点について皆さんで考えたいと思います。
 澤上 幸子(NPO法人えひめ311)

3-6
電話相談とSNS相談から深める被災地若年女性への支援

被災地若年女性の相談の中では、もやもやした言葉にならない気持ちや生きづらさ、社会との関わりにくさが多く見られます。経験豊かな相談員だけでなく、相談者の年齢に近い大学生や20代の相談員を育成しつつ、若年女性が日常使っている言葉や気持ちに共感しながら、電話相談とSNS相談のふたつの相談を行なっているのが被災地若年女性ラインの特徴です。相談の中から見えてきた現状と課題、支援の在り方について、参加者のみなさんと共有を深めていきたいと思います。
 加藤 清子(一般社団法人GEN・J)
 竹下 奈都子 他1名(NPO法人BONDプロジェクト)

4 特別講演 「人を信じられない病 信頼障害としてのアディクション」〜10月29日(2日目)午後 13:00~15:00〜

臨床現場でアディクションの患者さんと向き合う中でたどり着いた「信頼障害仮説」は今の日本社会が抱える課題を浮き彫りにします。人々の生活の困難に根深く潜む依存の問題を私たちの社会の問題として考えてみます。
「イノベーション(技術革新)という名のもと、これからも便利で、それゆえアディクションの対象となりうる「物」は次々と開発されるであろう。私たちはもはや地縁・血縁社会に逆戻りすることはできない。しかし、私たちが物に頼っていい部分と人に頼るべき部分との分岐点を見極め、便利さと不便さの均衡が取れ、自分と他者の心理的孤立に気づくことができる新しい社会のあり方を目指すことは、不可能ではないはずである。」(小林桜児著「人を信じられない病 信頼障害としてのアディクション」日本評論社2016年 最終章より引用)
 講師:小林 桜児 (神奈川県立精神医療センター 依存症診療科・依存症研究室 医師)

 

敬称略


 

▼主催 一般社団法人社会的包摂サポートセンター

▼後援 東京都、日本司法書士会連合会、労働者福祉中央協議会

▼協力 特定非営利活動法人コリアNGOセンター、特定非営利活動法人全国女性シェルターネット、NPO法人共生社会をつくるセクシュアルマイノリティ支援全国ネットワーク、セクシュアルマイノリティのためのフリースペースLOUD、NPO法人ライフリンク、NPO法人えひめ311、一般社団法人GEN・J、NPO法人BONDプロジェクト

▼参加費用(2日間合わせて)
<一 般 7,000円>  <会 員 5,000円>
 ※会員は社会的包摂サポートセンターの賛同会員、または正会員となります。 
※※会員の入会については別ページをご覧ください。→→入会のご案内

▶定員:250名 ※申込先着順

下記フォームよりお申込みいただくか、チラシをダウンロードしてご記入のうえ、ファックスまたはメールにてお送りください。受講決定のお知らせを送らせていただきます。その後、指定の口座に参加費用を事前にお振り込み下さい。


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定員になり次第お申込みを終了します。
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